価格の心理学とコントラストの原理。「高い」と思っていた値段が突然安く感じる人間心理。
足立です。
前回に引き続き今回も「影響力の武器に学ぶ使える行動心理学講座」です。
・影響力の武器に学ぶ行動心理学講座一覧
今回は“商品の値段”についてのお話。
これはリアルビジネスを15年程やっている僕にとって本当に「目からウロコ」でした。
価格の心理学。「高い」と思っていた値段が突然安く感じる人間心理。
これは実際に僕が長年実店舗で経験して来た値段の不思議が解き明かされた時の話です。店に来たお客さんが3つの気に入った携帯ケースの中でどれを買おうか迷っていました。(ちなみに僕の店はハンドメイドで作る革のアイテムを扱う店で、特に携帯ケースとスマートフォンケースが人気商品のひとつです。)
その3つの携帯ケースにはそれぞれバラバラの価格が付いていました。
一番高いものが1万8千円で次が1万2千円、そして一番安いもので1万円弱の3つでした。
そのお客さんは一番高い1万8千円の携帯ケースを気に入って居たのですが、予算が1万円前後のものを探していたため予算オーバーでした。
しかし、デザインが一番好きだと言って他の二つと比べて迷っていたんです。
なかなか決める事ができず悩んでいたのですが、僕がある事を言った瞬間に迷いが消えてひとつに決める事ができたのです。
「この1万8千円の携帯ケースは、先週まで3万9千9百円だったんだけど、これサンプル品でずっと展示してあったから1万8千円にしたんですよ。」
と、僕はただそのお客さんに「本当の事」を言っただけでした。
僕は、サンプル品だった事を言うべきかどうか迷ったのですが、何らかの均衡が破れると思って正直に話したんです。
すると、その瞬間にそのお客さんは1万8千円の携帯ケースを買う事に決めたんですね。
僕の話を聞き、それまで迷っていた他の二つの携帯ケースの価値の差を大きく感じたのです。
高いものが安くなっている、と知ると、そのお客さんが急に“安くてお買い得はこの携帯ケースだ!”と感じたという訳です。
それまでとは、まるで違う価格の感じ方をしたんですね。
最初は予算オーバーだったはずなのにです。
価値観を左右するコントラストの原理
この僕の経験した時のように、最初の価格が信憑性のある何らかの理由で価格が下げられている場合、それまで高いと感じていたにも関わらずその商品が急に安く感じてしまうのです。これと同じ事が影響力の武器の中にも書かれていました。
この事を「コントラストの原理」と言うそうです。
このコントラストの原理はこんな応用技でも使われているようです。
例えば、新車を買う契約が成立した後でこのコントラストの原理を使った巧みな売り込みが始まると言います。
それは、何百万円もの新車を買う事になったすぐその後、ディーラーの担当者がオプションを勧めてくるのです。
数万円のカーステレオを勧められるのですが、何百万円の車を買うと決まった後なので、数万円のカーステレオがとても安く感じてしまい、快く承諾します。
その次にアルミホイールとタイヤを勧められ、これもまた新車の価格と比べればとても安く感じてしまい、躊躇する事なくお買い上げしてしまうのです。
他にも結婚式場でも、このコントラストの原理がふんだんに使われています。
最初は予算内で結婚式の見積もりを出してお客さんにOKをもらったあとで、オプションを次々提案してきます。
料理の内容のグレードアップや、お色直しの回数などのオプション品を勧められ、元の結婚披露宴代金と比べれば、どれも安く感じてしまうし、提案も上手いので乗せられてしまう訳です。
これこそが、コントラストの原理を利用したマーケティングです。
高いものを買ったすぐ後であれば、その金額と比較するので安く感じてしまうのです。だから小出しにオプション品を提案してくるという訳なのです。
そして、トータルの合計金額は当初の金額よりもかなり膨らんでしまうという結果になるのです。
このコントラストの原理もまた、れっきとした人の心理を利用した価格の見せ方です。
いかに落差を感じさせる事ができるか、です。
落差が大きくてしっかりとした理由があれば、そこにはコントラストの原理が働きます。
このような人の心理を利用したマーケティングは、僕たちの身近な所でも普通に使われているわけです。
この価格の感じ方を利用したコントラストの原理を熟知する事で、ビジネスを円滑にする事ができる事は言うまでもありませんね。
是非、参考にして頂ければ幸いです。
Hiroshi Adachi
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